「相性98%」のはずが——29歳人事と、計算不能な夜

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奥まで入った瞬間、頭の中が白くなった

彼女が腰を落とす。根元まで、ずぶりと。

熱い。きつい。吸い付くような圧力が、俺を拒むように、でも迎え入れるように、全方向から押し包む。

目の前で、彼女の黒髪が揺れた。甘い声が、抑えきれない息が、耳に直接流れ込んでくる。ベッドのスプリングが軋む低い音。エアコンの室外機が唸ってる。それ以外の音が、全て遠くなる。

「あ……だめ、奥、当たって……」

その声で、理性の最後の一片が吹き飛んだ。

——3時間前に戻る。

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Pairsで見つけた、『相性重視』の29歳

俺は30歳。都内のIT企業でプロジェクト管理やってる。容姿は平均的だが、筋肉は割とある。アプリを始めたのは、正直、セフレが欲しかった。半年前に別れた彼女の穴埋め、というか、単純に肌が寂しかった。

10月の金曜日。Pairsを開いたのは、トイレで用を足しながらのことだった。いいねを送る。写真は4枚。一番上の画像——グレーのニットワンピース、黒髪セミロング、薄化粧で少ししか笑ってない。タイプは清楚系だが、目元がなんかエロい。

プロフ文を読んで、指が止まった。

「29歳/人事/相性重視で効率的に進めたいです。30歳目前で焦りがあり、価値観の合う方と出会いたい。無駄なデートは避け、お互いの時間を大切にしたいです。」

(婚活か。真剣そうだな……でも目が死んでねえ。矛盾してる)

それが引っかかった。いいねを送った。30分後、マッチ成立。

SMマッチング「Butterfly」

2日目で「家事の分担」について聞いてきた女

最初のメッセージは、彼女からだった。

「プロフ見てくれてありがとうございます。相性診断、98%でしたね。あなたの『週末は読書かジム派』という回答、共感できます。ちなみに、もし付き合うとしたら、家事はどちらがどのくらいやりたいですか?」

何だこの女。効率重視すぎて、最初からフィルタリングしてんのか。

「初めまして。家事分担ですか? 俺は割合より、お互いの都合で柔軟に、がいいかな。でも、掃除は得意じゃないので、洗濯と買い出し担当にしてほしいかも」

返信が来るのは早かった。テンプレートじゃない、考えた文面。

「柔軟、いいですね。私は計画的に分けたいタイプなので、最初にルール決める派です。あと、可能であれば早めに会って相性確認したいです。メッセージだけでは、価値観の奥底は見えないので」

(早めに会う? いける空気か? それとも本当に効率重視だけか?)

3日後の金曜日、恵比寿のダイニングバーに決まった。

 

改札で見た実物は、写真を越えていた

19時50分。JR恵比寿駅の東口改札。俺は5分前についてた。緊張して喉が乾く。唾を飲み込んだ。

19時55分。彼女が出てきた。

グレーのニットワンピース。写真通りだが、実物は断然違った。身長は162くらい。鎖骨がきれいに浮いてて、首筋が長い。黒髪はゆるく巻かれてて、シャンプーの匂いがこっちまで届きそうな艶がある。ニットの素材が薄くて、胸のラインが——。

思ったより、ずっと胸がある。

(やばい。この女、写真より三割増しで可愛い)

気づいたら目が合ってた。彼女が小さく手を振る。近づいてくる。バニラの甘い匂いが混ざって、体温を感じる距離になった。

「あなたですか? 写真より爽やかそうで、安心しました」

「こちらこそ。……写真、もっと載せとけばいいのに」

彼女が、初めて笑った。口角が上がる。目尻が下がる。清楚な顔が、急に色っぽくなった。

 

モヒートを飲みながら、彼女は計算していた

店は木曜日でも混んでた。カウンター席、隣り合わせ。2杯目のモヒートが来た頃、彼女は少し酔ってた。頬が上気して、鎖骨のあたりが薄く赤くなってる。

「私ね、もうすぐ30歳なんです。周りがどんどん結婚していって……焦ります。でも、妥協はしたくない。だから相性診断とか、価値観フィルターとか、徹底的に使ってるんです」

指先が、グラスの縁を撫でてる。爪はピンクベージュ。綺麗な手だ。

「効率重視、か。デートも計算してる感じ?」

「……してました。今日も、3時間で判断しようって。でも」

彼女がこっちを見た。目が、濡れて見えた。

「あなた、 unexpected です。計算外」

その瞬間、彼女の膝が、俺の膝に触れた。わざとじゃない、酔った拍子に。でも、すぐに離さなかった。ふとももの温もりが伝わる。絹のような肌の質感が、デニム越しに感じられた。

下腹部に、血が集まる感覚。ズボンの中が、急に窮屈になった。

(この女、ヤれる。いや、ヤりたい)

22時過ぎ。店を出る。彼女がスマホを見た。終電の時間らしい。

「もう少し話したいけど……」

「私も。でも、効率的に、ですよね」

彼女が、俺の手を取った。冷たい指先が、汗ばんでた。

「相性、数字じゃわからないものもあるでしょ? ……確認しに行きませんか」

呼吸が止まった。喉が鳴った。

 

ホテルまでの10分が、地獄のように長かった

恵比寿から5分のシティホテル。彼女が選んだ。「清潔で、チェックインが効率的なところ」。そう言ってた。

夜道を歩く。手を繋いでる。彼女の手が、汗で湿って、ぬるぬるしてる。無言。ただ歩く。隣のビルの看板の光が、彼女の横顔を青く照らす。睫毛が長い。鼻筋が通ってる。唇が、乾いてるのか、ぺろっと舐めた。

(マジか。本当にホテル行くのか。勃たなかったらどうしよう。いや、もう勃ってる)

心臓がうるさい。脈が、耳の奥で鼓膜を叩いてる。指先まで脈が伝わってる感じ。

フロント。彼女がスマホの予約画面を見せて、俺は支払い。エレベーター。鏡に二人が映る。スーツの俺と、ニットの彼女。全然似合わない。非日常すぎる。エレベーターが上がる感覚。耳が軽く塞ぐ。

8階。廊下。カーペットの上を歩く音がしない。811号室。カードキーをかざす。ピッ。カチャリ。

ドアが閉まった音。日常が終わった音。

 

部屋のドアが閉まった——ここから先は計算不能

白いシーツ。間接照明。エアコンの低い唸り。窓の外に渋谷の夜景。

彼女が、カバンを置いて、ベッドの端に座った。手を膝の上で組んでる。震えてる。

「……飲み物、取る?」

「いいえ」

目が合った。三秒。五秒。彼女が、ゆっくりと、ワンピースの裾を掴んだ。

「……シャワー、先に?」

立ち上がった。俺も立った。距離が、50センチ。30センチ。唇が乾く。唾を飲み込んだ。喉が鳴った。

首筋に顔を埋めた。バニラの匂い。その下に、肌の匂い。甘くて、少し酸っぱい、女の匂い。

唇が触れた。柔らかい。冷たい。彼女が、小さく息を漏らした。

「ん……」

その声で、スイッチが入った。

 

ニットの下に隠されていた、真実の体温

キスをしながら、背中に手を回した。ニットの生地越しに、ブラのホックを探る。ずらす。外す。

彼女が、一瞬身を固くした。

「私、服の上からだと……貧相に見えるんです。だから、驚かないで」

裾を捲り上げていく。白い腹。肋骨の影。そして——。

ブラを外した瞬間、息が止まった。

服の上から想像してたのと、全然違った。丸い。重みがある。肌色は白くて、血管が透けて見える。乳首は淡いピンクで、すでに尖ってた。

(やべえ……29歳の婚活女が、こんなに……)

両手で覆うように触れた。柔らかい。指が沈む。重力で、こぼれるような形が変わる。

「あっ……そこ、弱い……」

乳首を指で転がす。硬くなる。彼女の首が後ろに反った。首筋のラインが、弓なりになる。

スカートのジッパーを下ろす。音が、部屋に響く。彼女が、内腿をすり合わせる。白いレースの下着。清潔感のある、でもエロいデザイン。

「……これ、わざわざ?」

「……期待、してました。初回から、ってわけじゃないですけど」

下着を脱がせる。下腹部の丸み。そして——。

うっすらと残った剃り跡。綺麗に整えられたアンダーヘア。そして、もう湿ってる。光が反射して、仄かに光ってる。

 

29歳の身体が、段々と計算を忘れていく

ベッドに押し倒した。白いシーツの上に、黒髪が散る。

首筋にキス。鎖骨。デートの時から気になってた、その凹凸を舐める。塩味がした。汗の味。

胸に移動。乳首を舐める。吸う。彼女の腰が、ビクンと跳ねた。

「あ、だめ、敏感なの……」

下に降りていく。腹。へそ。そして、太ももの内側。絹みたいに滑らかで、少しひんやりしてた。

指を、そこに滑らせる。

くちゅ……くちゅ……

水音。彼女が、シーツを掴む。指が白くなる。

「やだ……音、聞こえてる……」

驚いた。もうこんなに、濡れてる。指先が、ぬるぬるに埋もれる。熱い。膣内の熱が、指先に伝わる。

彼女の手が、俺のベルトに伸びてきた。早い。焦ってる。バックルを外す音。

「私、自分から動くタイプ、なんです……待てない……」

それは予想外だった。効率重視の、計算高そうな彼女が。

パンツを下ろす。俺のそれが、ばねんじゃん!と勢いよく跳ねた。先端が、彼女の下腹部に当たる。

「……大きい」

彼女が、小さく呟いた。

 

中に入った瞬間、全ての数値が意味を失った

ゴムをつける。袋を開ける音。ガサッ。ピリッ。

彼女が、自分から足を開いた。膝を立てて。一番見せたくないところを、見せてくれる。

先端を、そこにあてがう。熱い。濡れてる。

ゆっくりと、押し込む。

ずぶり。

入っていく。きつい。熱い。奥に進むほど、温度が上がっていく。吸い付くような、千切れそうな圧力。

「あ……あ、あ……入って、くる……」

彼女の顔が、涙ぐんでる。仰向けで、天井を見上げて、口を開けてる。呼吸が荒い。胸が大きく上下する。

根元まで入れた。

溶けるような熱さ。奥の壁が、ぷにっと柔らかく、押し返してくる。

動く。腰を引いて、また奥まで。引くと、吸いつくように離さない。膣襞が、ひだひだと絡みついてくる。

彼女の声が、段々と高くなる。

「あっ、あっ、そこ、だめ……」

 

騎乗位で、彼女が主導権を握った——かと思った

体位を変えた。俺が上から、彼女を抱き上げて、俺の上に座らせる。

彼女が、腰を落とす。スライドするように、奥まで飲み込まれる。

「ん……深い……」

下から見上げる。彼女の顔。前髪が汗で額に張り付いてる。胸が、重力に逆らって、ぷるぷる揺れる。腰のくびれが、弓なりになって。

彼女が、腰を動かし始めた。上下に。グラインドするように。

腹筋に力が入る。腰が、勝手に動く。

リズムが速くなる。ベッドが、キイキイと軋む。肌と肌がぶつかる音。ぱん、ぱん、ぱん。

彼女の表情が、変わった。計算してた目が、トロンとして。口を半開きにして、涎が垂れそうになってる。

「もう、だめ……イき、そう……」

後ろに手をついた。背中が反る。乳房が、突き出すように。

立ちバックに移行。彼女をベッドに立たせて、後ろから。壁に手をつかせる。

鏡に、二人が映ってる。後ろから貫かれてる彼女。髪が振り乱れて。顔が、蕩けてる。

深く、奥まで、一気に。

「ああっ……! 奥、当たって、すごい……!」

彼女の中が、きゅうっと締まる。痙攣するように。

 

最後の瞬間——理性が溶けた

ペースが上がる。もう我慢の限界。

彼女も、頭を振って。足の指が、シーツに掴まって、丸まってる。

「イく……イっちゃう……中で、出して……!」

その言葉で、背骨に電流が走った。腰が、勝手に押しつける。頭の中が、白くなる。

びゅく……びゅるる……

彼女の中が、さらにきつく締まる。脈動する。

「あ……あ……あ……」

彼女も、全身を震わせて。足が、ガクガクしてる。

息を止めてた。浅い呼吸しかできない。

下腹部から、全身に、快感が広がる。指先まで、痺れる。

 

終わった後——計算を忘れた29歳の顔

崩れ落ちた。彼女の上に、覆いかぶさるように倒れる。

汗だくだ。背中に汗が伝ってる。冷えていく。彼女の肌の温もりが、急に心地いい。

ゴム越しでも、中の熱が、まだ伝わってる気がする。

五分間、動けなかった。ただ、息を荒げて。彼女の肩に、顔をうずめる。シャンプーの匂い。汗の匂い。セックスの匂い。

彼女が、小さく笑った。

「……計算、できなかった」

「俺も」

「相性98%とか、関係なかった……」

「ああ。もっと高い」

彼女が、俺の手を握った。指先が、絡まる。

「……次、いつ空いてますか?」

 

帰り道——指先に残る、相性の余韻

0時過ぎ。ホテルを出た。恵比寿の街は、まだ人がいる。

別々の方向。駅で、向き合って。

「今日、ありがとう。……効率的で、最高でした」

変な締めくくり方。でも、目が笑ってる。

改札で別れた。電車の中。スマホを見た。彼女からのLINE。

「来週の土曜、私の家に来ませんか? 料理します。……相性、もっと確かめたいです」

手のひらを見た。さっきまで、彼女の腰を掴んでた手。まだ、指先に、柔らかい肉感が残ってる。

帰り道。風が吹く。股間が、まだ重い。

マッチングアプリで出会った29歳の人事。焦りと効率を武器にしてたはずの女。

ベッドの上では、全部忘れて、ただ喘いでた。

また、会いたい。

スマホの画面を閉じた。まだ、下腹部が熱い。